続きを心待ちにしていただいてくださっている皆様、どうもありがとうございます。

”待ちきれなくて、話を聞きに来たよ〜!”といらしていただいたり・・。
ノンビリしすぎました。すみませんm(_ _)m
今回は、ボルドーのVINEXPOの3日間をまとめました。
と〜っても長文につき、ご注意下さい(^^;)


さて、19日。


旅の
この日は朝ぐっすり寝て、ボルドーへ向かいました。
お昼前にはパリを出ようと、サンジェルマン・デ・プレのカフェで待ち合わせ。
”おや〜、一人旅じゃなかったのか?”
確かに。基本は一人旅なのですが、今回は『あい田』にご一緒させていただいた『麻布』のマダムとシェフと
愛犬チョビのヴァカンス先が偶然にもボルドーだったので、車の旅に便乗させていただいたのです。
ほぼ毎日会っているのに、話すことがつきない私たち。
サービスエリアに寄って、ハムのグリエに、焼トマト、ほうれん草のクリーム煮添えなんて頼んで
お昼をノンビリ。”何時に着くのかなぁ〜?”なんて言いながら、5時間の旅も何のその。あっという間に到着しました!


実は私、ボルドーを訪ねたのは2度目。
ちょうど10年前に、シャトー・ド・ペズとシャトー・ベレールを訪ねて以来。
その時はポイヤックに1泊して、翌日はポルトガルに飛んでいたんだよねぇ。。
まったく、地の利が無い私。しかも地図が苦手。
”麻布”の彼女たちとはボルドーの中心でお別れです。
彼女たちはポイヤックとサンテミリオンでノンビリ過ごす予定なんです。

と、その前にカフェしてたら、お腹が空き、クスクス・ロワイヤルを食す事に。
もちろん、モロッコのロゼワインだろう。ということになり注文。
どのテーブルも、このロゼか赤が空いている。
”ホント〜?”と思いながら頼んでみたら、”やっぱり・・・。”
メルゲーズ、羊の煮込み、鶏肉、スパイスが効いたハンバーグのようなもの(これは本当にハンバーグだった)を
スムールに添えて野菜スープをたっぷり(^o^)
添えられたヒヨコ豆とレーズンを甘く煮たものをツマミながら、満腹!


お腹が満たされて来るとシアワセ度が上がる。
ふと気が付くと、ロゼワインもカラになっている(笑)
”結局、飲んじゃった〜〜”とゴキゲンなのだから、なんて単純なんだろうと大笑い。

最後はミントティーで〆。
で、わたしはタクシーでホテルに向かったのであります。

翌日に備えて、お腹もいっぱいになったことだし、バスタブ付きだ〜♪とお風呂に浸かってゴロゴロ。
そして、テレビに夢中。
ミリオネアーをやっていて、フランス語の勉強になるぞ!なんて思っていたら、いつの間にか夢の中でございました。


20日
朝、ナヴェットという循環バスに乗り、ホテルを出発。
色んなホテルに立ち寄るので、1時間もかかる。
もちろん、バスで熟睡。
乗り物に乗ったら眠くなるのは何故だろう?


そして到着。
予めメールに添付されてきた、バーコード付きの入場証のプリントアウトしたものを入り口で渡す。
そうすると、パソコンを叩いてオリジナルをもらえる仕組み。アナログだとばかり思っていたので、感心!

さて、あまりの広さに、どこに何があるのか分からず散策。
2会場に分かれていて、ホール1、2、3、会場外のホールには植え込みや噴水で整備され、
デジュネ・ア・ヴィネスポ、とカフェやレストランがテントを張り、西南地区、アルザス、ロワール、
コルシカ、チーズとフォワグラなんていうブースも。
それ以外にも、サンドウィッチのお持ち帰り、トスカーナ料理、ドイツ料理、牡蠣屋など、様々な香りを漂わせている。


試飲目的で出かけたのですが、かつて2度、日本で開催された時をご存じの方いらっしゃいませんか?
日本の時のような”お祭りムード”は微塵も無く、世界的な商談の場として存在している場ということが
嫌が応にも分かり、少々気後れ・・。
それに、朝8時くらいから始まっているはずなのに、殆どのブースに人が来ていない。

行きたいブースが開いていないので、楽しいモノを発見しては写真を撮ったり
エルメスやルイ・ヴィトンのヴィネスポ会場内のブティックをウロウロ。

ユベール・ブロシャールのサンセールを全種類試飲。
お嬢さんのキャロリーヌさんにお相手をしていただき、日本の私どものレストランでも扱っているんです。
など、お話しさせて頂いたのです。2004年はとてもミネラル感に富んでいて、果実味がのっているワインでした。
基本的にミネラル感を表に出す生産者ですが、より洗練された印象を持ちました。
キャロリーヌさん、有難うございます。


で、タイムテーブルを見てみると、ホール2でソーテルヌ・バルザックのフリーティスティングが出来ると発見。
時間はあと30分で終了。行けば何とかなりそうと、ダ〜ッシュ!
30分あるはずなのに、あと15分で片付け始めるという。なんということでしょう!!
23出展しているシャトーのうち、12のシャトーをまわり始める。
頑張らなきゃ!と、有名どころから1つないし、2つのヴィンテージを試飲させてもらう。
どのシャトーも、2001〜2005年の中から2ヴィンテージほど持ってきている。

もちろん、ソーテルヌやバルザックの貴腐ワインなので、そのようなヴィンテージはとても若いですね。
試飲した中から、いくつか書いておきます。
2002年などは柔らかく女性的な丸みを帯びていて、酸味も透き通った印象で非常に好感が持てた。
シャトー・ドワジー・ヴェドリーヌ、シャトー・ギロー(2000年もリッチで○)、シャトー・クーテ
シャトー・スデュイロー、シャトー・クロ・オー・ペイラギー
シャトー・ラ・トゥール・ブランシュは2002年にしては濃く、口中の水分が奪われるような甘み。強かったです。
2003年のシャトー・ドワジー・デーヌは秀逸。柑橘系の華やかさも持ち合わせており、今飲んでも美味しい。
シャトー・レイヌ・ヴィニョーは果実、旨み、が濃くポッテリとした印象。
2004年は逆に酸味がおとなしく、リッチで濃い果実味に圧倒される。
シャトー・クリマン、シャトー・クーテ等は花梨などのハチミツ漬けのような旨みが表に出る。
若いが将来性を感じた。


さてさて、これだけの数を15分で試飲したら、クラクラしてしまいました。
せっかくのランチタイムですが、ランチより水〜!で、サンドウィッチを頬張りながら休憩。
午後はレストランが建ち並ぶ側と反対方向へ向かい、湖に面したプライヴェート空間のブースを見学。
湖に架けられた橋は仮設です。300メートルはあります。ホント!
赤い絨毯が敷いてあって、なんだかオシャレ。
風が吹くと、湖にある噴水の水が・・・、”ウソでしょ〜?!”っていう量を被る羽目になります(T_T)


午後は知人と会えたので、シャプティエのブースへ。
クリストフ・トマ氏が大きい手と笑顔で迎えてくれます。
以前、シャプティエ社を訪ねたことがあったのを、憶えていてくださったようです。
”ちょっと待っててね。” と空けていただいたドゥヴォーのシャンパーニュ。
しかも、マグナムを空けてくれたの〜!とっても美味しかったです。
トマ氏はお客様が長引いているようです。
待っている間に、良い気になってシャンパン飲んでしまうと試飲にならない。
”明朝、改めて出直させてください。”と後に。。


バロン・フエンテというシャンパーニュ・メーカーにお邪魔した。
ピノ・ノワール100%で造るシャンパーニュはブラン・ド・ノワール。
シャルドネ100%で造るシャンパーニュはブラン・ド・ブラン。
しかし、このメゾンではピノ・ムニエを沢山入れるブレンディング。
多くは60〜70%入っており、ピノ・ムニエ100%というものもある。
ピノ・ムニエを表現しようと頑張っているメゾンでした。


その後、またまたシャンパーニュ。
ホント、好きだなぁ〜。と、自分でも感心する。
大御所、テタンジェです♪
社長のピエール・エマニュエル氏は不在でしたが、お嬢さんがサービスしてくださいました。
限定生産の”マルケットリー”を試飲させていただいた。
きめ細かく、柔らか、シルキー、エレガントなシャンパンでした。


そろそろ終わりの時間だ!と、慌ててホテルに向かうナヴェットに乗り込む。
1日あっという間で、ちょっと疲れてしまったので・・、この日はホテルで夕飯。
ニース風サラダ。ブロシェット・ド・プーレ(鶏串)、フリット添え。
もう、ワインを飲む元気もなくバドワで喉を潤します。


いつも思うのだけど、フランスの野菜は味が濃い。
スーパーで買う野菜でも、味はしっかりしてるし・・。
日本も形が悪くても、ちゃんと味のする野菜がどこでも買えるようになると良いですね。



21日
今日の午後にはボルドー・VINEXPOを後にし、リヨンへ飛ぶ。
朝から荷物をパッキングして、チェックアウト〜!
10時のトマ氏との約束に向かいます。
まだ日本に入ってきていない、Agly Brothers、コート・デュ・ルーションの2006年のワインを試飲。
カリニャン60%、グルナッシュ20%。シラー20%。
標高は250メートルの所に畑があります。
色は濃く、黒みがかったルビー。熟したブラックベリー、黒胡椒などのスパイスが香ります。
味わいはアタックは穏やかですが、口中に含むとタンニンがしっかりとのりバランスが良い。
後半には、なめし革のような動物的なニュアンスを感じる。


その後も、すべて2006年の試飲です。
素晴らしい試飲をさせていただきました。
説明は無くても大丈夫なくらい、有名なワインですね。
違いを知りたい方は、今後のワイン会のテーマとして考えますので、声を掛けてくださいね。
ャトー・ヌフ・デュ・パプ クロワ・デ・ボワとバルブ・ラック
サン・ジョセフ レ・グラニ
コート・ロティ ラ・モルドレ
エルミタージュ ル・メアル
エルミタージュ ル・パヴィヨン
エルミタージュ レルミット


シャプティエブースは、まるで樽の中にいるようなイメージ。
涼しげに笹を植えてあったり、アーティスティックですね。
トマ氏、どうもありがとうございました。

さて次は、昨日から気になっていたルノーブルのブースに顔を出してみる。
社長のアントワーヌ氏とは、フランスと日本で4回ほどお会いしている。
商談中だったのに”来てたの〜?!”と喜んで試飲させてくださいました。
ブリュット・アンタンスはビストロボルドーでも常に置いてあるシャンパーニュのひとつ。
それぞれ三分の一ずつのブレンド。コクがあり、バランスの良いシャンパーニュです。

ブラン・ド・ブランのノン・ヴィンテージは軽やかでシトラス系のローヴを纏った印象。

ジョンティオムはここのプレステージ・シャンパン。96年を試飲。
もちろん、ブラン・ド・ブランです。
液体にきめ細やかな泡が溶け込んだ、と表現するに相応しいエレガントさ。
余韻は穏やかで、酸も控えめ。
アントワーヌ氏、ありがとうございます。


刻々と近づくフライト時間に合わせて、VINEXPO会場を後にする。
ホテルで荷物をピックアップ。国内線でリヨンへ向かう。
レンタカーで北上し、ブルゴーニュ、ヴォーヌ・ロマネ村に向かいます。
予想通り、3時間は掛かかってしまった。
メゾン・ニコラ・ポテルの日本担当のマルコと待ち合わせ@ニュイ・サン・ジョルジュ。

電話で話していたら、ナント!彼を紹介してくださった商社の方々がお仕事でいらしていて
わたしが到着するまで、試飲を待っていてくれるという。
なんて優しいのでしょう・・。ありがとうございますm(_ _)m
急いでニュイ・サン・ジョルジュへ。
ここは、自社畑を持っていません。
全て契約農家からブドウを買って醸造しています。
栽培はリュットレゾネ、ビオの方式で管理された畑の、樹齢は最低でも35年、古いものでは50〜60年という古木から
取れたブドウのみでワインを造っています。
赤は全て樽からの試飲で、2006年です。
白はブルゴーニュ・ブラン、ピュリニー・モンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュ。

この中では、今すぐ美味しく味わっていただけるという点で、ブルゴーニュ・ブランが秀逸。
赤ワインは本当に沢山のアイテムを試飲させていただきましたが、ここの看板アペラシオン、ヴォルネーは
安定した旨みをすでに持っていて、安心感できるなぁ。。という気持ちになりました。

シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌロマネ1級プチ・モン、ゴーディショ、エシェゾー、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、
これらは実に素晴らしい、将来性を感じさせるワインでした。


そしてこの日はフェット・ドゥ・ラ・ミュージック♪
日本でも行われている、音楽祭の日です。
夏至。。日が長いので、夜中まで音楽を楽しみながらダンスをしたりお酒を飲んだりするお祭りです。
わたしもマルコに誘って頂いて、ニコラ・ポテル主催のフェット・ドゥ・ラ・ミュージックに出かけてきました。
ヴォーヌ・ロマネから30分ほどの、屋外キャンプ場のようなところ。
20時からだからね!と言われながら、21時に到着。人も集まっていませんし、音楽家の演奏も音合わせ中。

アペリティフにニコラ・ポテルの白ワインを。
23時まで、チップスやソーシッソンセックをつまんでおしゃべりタイム。
サラダ・バーが来てようやく落ち着く。24時間近にジゴ・ダニョー到着。羊のもも肉のロティです。
ニコラ・ポテルの2004年のシャンボール・ミュジニーと共に。
そうそう、最後のメインは子豚の丸焼き!!自転車の車輪を利用して、電動でクルクル回るんです。
でも・・、この頃には睡魔が足を忍ばせてきていて危険信号!
明朝9時半から試飲をするのと、子豚、どっち取る??と頭の中は揺れ動くのですが、



まだ理性が働く状態というのと、疲れが出てきて、”帰りま〜す”という事に。
マルコは引き留めてくれるのです。”雅子、コション(子豚)もう少しで焼けるよ。もうちょっと待って、食べてから帰りなよ〜。”って。
もちろん食べたいに決まってるけど、いかんせん遅くなってしまう・・。
”明日も車で移動だから、睡眠不足大敵なの。”と、泣く泣く、丁重にお礼を申し上げて宿へ。
マルコ、本当にありがとう!

その晩は、アンヌ・グロが経営している民宿に宿泊。
翌朝はまず、アンヌ・グロの試飲からスタートです。


最後まで、お読みいただきまして有難うございました。
この後も、移動移動の旅は続きます。
お楽しみに。。

ビストロ ボルドー
田中雅子

  
 
Topice