6月16日〜25日までフランスに行ってきました。
今回はVINEXPO(ボルドーで行われるワイン博)が目的。

みなさん、こんにちは。
随分、日が経つのは早いもので・・・。
すっかり遅くなりましたが、最終話をお送りさせていただきます。

6月22日
前日の音楽祭の余韻はどこへやら。
若干の雲の厚さとパラパラと降ってきそうな気配を感じながら、青空に迎えられる。
まずは朝食。
ここはアンヌ・グロのドメーヌ敷地内で経営しているシャンブル・ドット(民宿のようなところ)です。


アンヌのママから前日言われていた
”パンが7時半に裏口のパン袋に届くから、キッチン使ってちょうだいね”と。
キッチンは宿泊客が共同で使用します。
オーブンや食洗機も置いてあって、一週間滞在したい気分。
でも、今回は1泊です!(アンヌのママがビックリしてました・・。)
冷蔵庫には必要最低限の朝食の友が備わっている。
タマゴ、ハム、バター、ママの手作りコンフィチュール♪はフランボワーズ、オレンジジュースなど。

ゆで卵にパンとジュース、カフェ・オレ。
食事を終え、アンヌと約束の時間。
再会〜!

アンヌは別件の仕事を片付けなければならないとのことで、マリーに案内をしてもらう。
まずは、畑をお散歩。
ほぼ毎日雨が降るので、ヘリコプターを飛ばして畑に風を起こします。
はいクイズ、何故だと思いますか?

ドメーヌで働き始めて数ヶ月と言っていたけれど、マリーは熱心さに溢れている。
またまた、お散歩。いろいろとヴォーヌ・ロマネ村の話しをしてくれる。


普通は自分のところのドメーヌについて話される方が多いのだけれど、この人は違う。
伝道師みたいに、他の生産者のことも話すし、褒める、素晴らしい!



いよいよ試飲。赤も白も、2006年です。



@ オート・コート・ド・ニュイ
   リッチで果実味とタンニンのバランスが既に整っている。美味しく飲めちゃう。

A ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
   軽やかなタンニンと酸の通ったキレイなワイン。
B シャンボール・ミュジニー コンブ ドルヴォー
   マロラクティックが終わり、ちょっと荒れているかな?でも、
シャンボールらしさはしっかりあります。
C ヴォーヌ・ロマネ レ バロー
   88年から造っているワイン。生産本数2000本。
海外輸出80%、フランス国内20%。
   平均樹齢60年。濃いルビー色。
酸がきれいで、プラム、ブラックベリー、胡椒、シナモンなどを
   思わせる。
   濃く甘やかで、アフターも長い。
D クロ ヴージョ
   言わずと知れた特級畑。
   マロラクティックが終わっていないながらも、タンニンの濃さ、複雑味は圧倒的。

E リシュブール
   バラの花、フランボワーズリキュールを思わせる華やかさ。柔らかなタンニンとミネラル。
   やっぱり凄い!素晴らしいの一言です・・。

@ オート・コート・ド・ニュイ キュヴェ マリー
   フレッシュの白桃にかぶりついたような果実味。
   レモンの柑橘、バナナや洋梨の熟した物を思わせる。
   ミネラルが口中に広がり、酸と果実のバランスを引き立てる。
   アフター長く、コストパフォーマンスの良いワイン。
   このワインは通常熟成させる樽の2倍の容量、500Lの新樽で熟成される。

A ブルゴーニュ・ブラン 
   この年は8月半ばに収穫。オート・コート・ド・ニュイとは対称的。
   酸が穏やかで、フレッシュバター、ハチミツ、リンゴや洋梨のニュアンス。
   若干のキャラメル香を感じる、酸の穏やかなワイン。

全体的な感想として。。
全て樽からの試飲だったこともあり、
マロラクティック発酵が終了している白は比較的香りや味わいも取りやすく、
赤ワインはそれこそ、テロワールを感じさせられた。
彼女のワイン造りには一段と女性らしさを感じさせられた。
アンヌとマリーにお別れをして、
いざシャブリへ!
嵐を追い越し、追い越されつつ、オートルートを走ります。


シャブリではラ・シャブリジェンヌへ。
ここは1923年にシャブリ地区の優秀な葡萄栽培農家を中心に結成された協同組合です。
現在約300軒にのぼる葡萄栽培農家が参加しています。
7つのグラン・クリュと30以上のプチ・クリュ、アペラシオン・シャブリを名乗ることの出来る20の町村にまたがっています。
また、シャブリ全体の25〜30%の生産量を持っているので、シャブリ全体に対しての影響力を持つ生産者。
ここには、知人の紹介で同行させていただきました。
こちらでアテンドしてくださったのは、エルヴェ・ツキー氏。

実は・・、フランス人ご夫婦とフランス語が堪能な方とご一緒させていただいたので会話についていけませんでした(>_<)
ICレコーダーに入っているけど・・・、詳しいお話しは未だ理解できていません 
m(_ _)m

まずは、畑が一望できる小高い丘へ。ここで1時間みっちりお話を伺います。

シャブリという地区ができたジュラ紀のころから現在に至るまでの・・。
風がビュービュー吹いて、寒いのなんの。
途中で上着を買って羽織っていたけど、途中からクラクラしてきて集中力が切れる。
ムッシューのトークは熱いです!!

次に、車で畑見学。
土壌の違い、杉林が風から葡萄を守ってくれているお話しを伺いつつ、あちらの畑、こちらの畑と移動。
特級畑グルヌイユではグルヌイユの醸造のためだけに醸造所を持っているという凄さを目の当たりに!!
みんなで、”ひょえ〜〜っ”とビックリしました。
その後、試飲。この時点で既に2時間経過。17時。
ムッシューはここからダッシュをして試飲をさせてくださいました。


@ '05 1er cru L'HOMME MORT
   ややグリーンがかった麦わら色。
   洋梨、完熟した蜜リンゴ、ミネラル、塩味。アタック、ボリュームがありつつ女性的。
   ショウガや、白胡椒などのスパイスを感じる。

A '05 1er cru MONT DE MILLIEU
   ミネラリテ、引き締まった味わいの中にグレープフルーツの皮を思わせる甘苦さ。

   フレッシュで酸とミネラルの力強さを感じる。アフター長い。   

B '05 1er cru COTE DE LECHET
   レモン、柑橘系の酸が前に出るが、ふっくらと柔らかな果実味がシフォンのように舌に乗る。
   後半に向かって、ミネラル、ボリュームと力強さを感じる。

C '05 Grand cru LES PREUSES
   輝きのある全体に緑がかった金色。パイナップル、オレンジピール、ヴェルヴェーヌ、ヴァニラ。
   口に含むとフレッシュな青リンゴの爽やかさと、
アフターにまだ固さの残るアプリコットを頬張ったような甘苦さを感じる。
   10年後〜が楽しみです。
   
D '05 Grand cru CHATEAU GRENOUILLES
   若干閉じ気味。色も濃く、強く、濃厚。アルコールも充分にのっており、酸もしっかり。

E '03 Grand cru CHATEAU GRENOUILLES
   こちらも強さばかりが目立ってしまう。
   ポッテリとした中にレモンピール、ミネラルを感じる。

グルヌイユは、まだまだ・・・。
でも、将来性はバッチリ!
”シャブリはなんでも一緒。”なんて思っていらっしゃる方!
当たり前ですが、生産者によって、畑によって、まったく違う表情を感じることが出来ると思います。
まずは、お家で気軽に楽しめる、ACシャブリから始めてみてはいかがでしょうか?
この猛暑では冷えたビールもサイコーに美味しいですが、
汗を沢山かくこの夏は、少し塩味を感じるシャブリらしいミネラル感の
ある白ワインもオススメです。
是非、お試し下さい。

あっという間に時間が過ぎてしまいました。既に18時を回っています。
シャブリジェンヌのツキー氏にお別れをして、シャンパーニュはエペルネへ向かいます。

昼ご飯を食べる時間がなかったので(笑)、お腹と背中がくっつきそうになりながらホテルへ。
もう、22時近かったでしょうか?
レストランも閉店間近だったのですが、
レセプションのお兄さんの取り計らいでブッフェを頂きました。
NV ニコラ・フィアットを飲みながら、楽しい夕食。


 
Topice