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                  | 2002/08/05 こんばんは
 コルマールは雨も止みました。
 食べ過ぎ傾向の私は、ゆっくりお風呂に浸かって、
 先日買っておいたオレンジを食べホッと一息ついています。
 
 お客さんからのメールでミュスカデということと、パリで買う方が値段が高いこと、
 輸送時の費用と品質へのリスクを考えると日本で買うのが良いと思います、と
 この方への返事は書きました
 そして、マスターに相談してみてください。
 もし、問い合わせがあったらオススメしてあげてください。
 宜しくお願いします。
 
 それでは、パリに戻ったら連絡します。
 
 雅子
 
  2002/08/08
 みなさま、こんにちは。
 元気に美味しいワインを飲んでいらっしゃることと思います。
 
 先日すこしお伝えしましたが、
 7月27日〜8月5日までワイン産地を訪ね歩いてきました。
 3日前にパリに戻りましたが、腰痛で起きあがれず、
 丸3日間ベッドの中で過ごしました・・・(^^ゞ
 少々のことでは応えない私ですが、今回はヒドイ痛みでした!
 
 さて、ブルゴーニュのお話しです。
 私が5日間滞在したホテルはジュブレ・シャンベルタンの、
 ホテル グラン・クリュという畑の真ん中にあるホテルでした。
 毎朝9時から2時間おきにアポイントを入れてあるので、クロワッサンとバケット、
 自家製ジャム
 (中でも驚きだったのは、青いトマトのジャム!甘すぎずおいしかったですよ)
 オレンジジュースとカフェなど。
 このホテルは家族で切り盛りしていて、マダムは村のことなら何でも知っている・・
 ・
 作り手の所在地など、白紙の地図に次々と書き入れていく表情は、自信満々!
 とっても親切なマダムでしたよ。英語も話すのですが、
 ”いくら聞いてもフランス語に聞こえる〜”と
 つい、笑みがこぼれてしまうほどの英語でした。
 
 21軒の生産者を訪れましたが、私が個人的に好きな畑、
 Chambolle Musigny 
lesAmoureuses も
 所有している紳士な造り手のお話しをしましょう。
 入手しづらくなればなるほど、皆が欲しがる
 Domaine Comte George de Vogue。
 コント・ジョルジュ・ヴォゲ
 
 カーブは清潔。その一言に尽きます!
 全て新樽熟成で、横詰みされた樽の正面にはVogueのマークと
 樽番号が焼き印で押されています。
 カシェ(試飲したワインを吐き出す容器)が2カ所におかれ、”そこにカシェ、置いてあるから。
 ”と一言。みんな床の敷石に吐き出したりするのだけど、
 これほど徹底しているとはすばらしい!
 
 Vogue では2001年のみの試飲。
 マロラクティック発酵は樽毎に違いますが、1〜1ヶ月半前に終了しているとのこと。
 
 1,Chambolle 
Musigny
 淡いローズ色。タンニンきめ細かく、落ち着いた印象。
 心地よい小さな赤い果実の味わい。
 余韻、やわらか。。
 
 2,Chambolle Musigny Les 
Amoureuses
 1にエレガントさ、力強さ、しなやかさが備わったワイン
 
 3,Bonnes 
Mares
 
 
                  
  
    
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                        | VogueのBonnes Mares | ここの畑にいたエスカルゴ |  深いルビー色。
 香りにも厚みがあり、やや黒みがかった果実を思わせる。
 タンニンに甘みがあり、フランボワーズのコンポートのよう。酸がキレイで余韻はしなやか。
 畑の位置がChambolle 
Musigny の南で、赤土が出ている東側なのだそう。
 淀みない、澄んだワインが出来ると話してくれました。
 
 4,Musigny
 この中で一番若さを感じる。
 純粋で、タンニンは細かくエレガント。
 
 どのキュベも、ただつぶしただけの葡萄ジュースに、それぞれのアペラシオンに備
 わった酸とタンニン量が加わった印象。畑の良さを感じます。熟成した姿を想像する
 だけでも、シアワセ気分なワインでした。
 
 これらの畑は家族という絆で結ばれているとのこと。
 Musignyがお父さん、Amoureusesがお母さん。1er 
CruやVillageを子どもに持っています。
 エレガントでスノッブでない印象。
 でも、Bonnes 
Mares は力強く野性的で家族の中にはいません。突進してくる野性味。一匹狼。
 
 彼は、テロワール=土壌が求めるワインを造るという。しかし、土地は話してくれない。
 だからグラスの中のワインと話し、喜んだり、悲しんだりしている表情をつかみとる。
 ”消費する人たちのことを考えてワインは造っていないよ。
 土地の代弁者、オーケストラの指揮者だよ。
 まぁ、語る上では簡単だけどね。実際難しいよ。だから、ここを訪ねてくれるお客さ
 んと話すことで学ぶんだ。色々な造り手と話すけど、僕は一人で造っているんだ。”
 
 とても厳しいオーラを放つ彼ですが、どうしても笑顔を見たくなってしまいまして・・・
 動詞の活用で頭がこんがらがってしまいそうな私でしたが頑張って質問!
 正しい活用で質問を確認する彼。(笑)
 
 (話の中で、”僕のワインはガストロノミーに合わせようとしたら4時間前に抜栓し
 なければ開かないよ。”というコメントがあったので。)
 
 ”私はソムリエールですが、86年の澱のあるあなたのワイン開ける機会があった場合、
 あなただったらデキャンタージュを考えますか?”
 
 ”僕はデキャンタージュは好きじゃない。
 なぜなら、曲線を描いて広がっていくワインの良さを
 感じ取れないから。ピノ・ノワールはそういう品種じゃないよ。”
 
 ”でも、4時間お客様に待っていただくことは出来ないので。。
 私はパニエに寝かせた静かな状態で
 半分だけデキャンタージュして先に楽しみ、
 残りをパニエに寝かせたボトルからサーヴィスすることを
 実践しているのですが、どう思われますか?”
 
 ”それは興味深いねー。僕も試してみよう。
 こうやって話すことが、なにより勉強になるんだ”と、
 笑顔で話してくれたのでした。(*^_^*)
 
 秋までに訪ねて、”デキャンタージュ&ボトルに残す方法”
 を試した結果を聞きたいものです。
 
 今回はVogueのお話だけになってしまいましたが如何でしたでしょうか?
 次回は夏にぴったり!アルザスワインのお話しをお送りします。
 それでは、夏バテせぬよう、お体にお気を付けてお過ごし下さいませ。
 
 田中雅子
 ムスカデ編へ
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